14 Dec
C41F: Understanding the High-Mountain Water Cycle and Cryosphere in the Anthropocene I
C41F-01: Debris supply to mountain glaciers and how it effects their sensitivity to climate change - A case study from the Chhota Shigri Glacier, India (invited)
D.Scherler
メディアルモレーンの石の10Beを測れば、erosion rateがわかるはず、というモチベーションの観測と解析。縦断方向、横断方向でこんな風に動いているはず、というコンセプトデザインが良い。ただ、結果は芳しくなく、いろいろ可能性をあげて、「erosion rateに方位依存性があるのでは?」という想像 (speculation) で中途半端に終わっている。おいっ、そういうオチならnagyの研究みろ!(時間スケールが全然違うけどね)最後のデブリの供給を含めた氷河変動モデルは細かい点はともかく、変動にヒステリシス(氷河の規模とデブリ域の関係が拡大時と縮小時で違う)があるってのが面白い。
C41F-02: Predicting the Future Contribution of Himalayan Debris-covered Glaciers to River Discharge: Advances and Challenges (invited)
DJ.Quincey
最近一番うっとうしいUKのライバルグループを率いるDuncan。今回初めて会えた。今年の観測シーズンには熱水掘削をクンブ氷河でやっていて、その話か、と思いきや、ここ1〜2年で出版した論文の内容を全部詰め込んだため、話がとっ散らかりすぎてイマイチ。負けね〜ぞ〜
C41F-03: The Influence of Intensifying Irrigation on Glacier Mass Balances in High Mountain Asia
R.de Kok/WW.Immerzeel
Walterの代理発表。WRFに灌漑のプロセスを組み込んで、灌漑で地表面からの蒸発が増え、その水分が山に戻る量を見積もった、という話。特にタリム盆地から西崑崙に戻る水が多い。氷河の質量収支までは踏み込んでいないものの、「温暖化で氷河から地下水に移った水を人間が組み上げて地表にまいて、蒸発が増えて氷河に戻ってる」ってストーリーは面白い。natureとかが好きそうだよね。インダス河周辺の灌漑は風向きの関係もあって氷河への影響は少ない模様。
C41F-04: Partitioning of the water budget in the main river basins in High Mountain Asia with GRACE, model output, and other observations
I.Velicogna
重力観測衛星GRACEによる氷床変動では名の知れたイザベラ姐さんがアジアに参入かよっ!とおそれ入りつつ拝聴したが、話にまとまりがなく、なんかイマイチ。チベット高原上の氷河が増えている、という以前物議を醸したJacob+natureと同じ解析結果を出していたが、これ対して中国の人が「湖の水量が増えているのを考慮していないからではないか?」という当然の質問を投げかけていた。が、これに対してGIA (glacial isostatic adjustment) の影響が云々と回答していたのは、(多少英語の分かりにくさを差し引いても)全く噛み合ってない返答で失望した。この姐さん大丈夫か?それともチベット高原上の湖の水量増加のことは、欧米には認識されてないの?GRLとかに散々論文出てるのに?
C41F-06: Tree Ring Analyses Unlock a Century of Hydroclimatic Variability Across the Himalayas
C.Brunello
我らがSanoさんの先行研究とかに全く触れずに年輪同位体の発表するとかナメとるんか?と。年輪研究を把握していないコンビーナー連中は「いい研究だよね」と昼飯の時に言っていたので、知らない分野に対してはこんなもんなんだなぁ、、と。ただ、タイトルのunlockとかの使い方は参考になる。
C41F-07: Opportunities and Challenges in Enhancing Value of Annual Glacier Mass Balance Monitoring Examples from Western North America (invited)
M.Pelto
TCDで外野からコメントを打ち込んでくるMauriおじさんを初目撃。ただ、話の中身はなんだかぼんやりしていて、何が言いたいんだかよくわからず。monitoringと研究を如何に両立させるか、が大事だなやっぱり。
C41F-08: Exploiting Satellite Archives to Estimate Global Glacier Volume Changes (invited)
R.McNabb
MicMac という、Structure from Motion (SfM)のオープンソースソフトウェアを使ってASTERデータを大量処理して氷河変動を求めよう、というプロジェクトの紹介。タイトルはスゲーが、実際にやっているのはノルウェーの氷河のみ。でも、これから自動処理を進めてグローバルを目指すんだって。もうね、氷河の標高変化をやるのはちょっと考え直した方が良さそうだな、と感じさせてくれる発表。だが、この発表すら前座だったのか?という発表が翌日にあろうとは。。。
ここからセッションを変えて、、
GC42A-01: Mechanism of the 2016 giant twin glacier collapse in Aru range, Tibet (invited)
A.Gilbert
チベット高原で突如立て続けに崩壊した二つの氷河の崩壊の原因について、質量収支や流動、内部の温度、流動状態などを総合的に解析した圧巻の研究。Nature Geoscienceに受理されてるんだそうな。さすが。でも、質量収支をデグリーデイ法で見積もっているのがとても気にくわない。他の手法は最新の手法なのに。。
vladimirと近い将来に予定している中央アジアでのアイスコア掘削のサイトに関して相談。
C41B: Glacier Monitoring from in Situ and Remotely Sensed Observations I Poster
コアタイムが午前中で、walterのセッションとTPEセッションと完全にバッティング。vladimirとの相談もあって完全にコアタイムを逃す。昼飯前にウロウロする。
お昼はポスター会場であったutrechtチームと自分のホテル近くのスーパーマーケットまで延々歩いて行って、軽食ですます。軽食と言っても、デリコーナーで作ってもらったブリトーは食べきれないボリューム。なんとかした方がいいぞアメリカ人。
午後はポスター会場を再度ウロウロして、コアタイムでないにもかかわらず立っていた人を捕まえて適当に話を聞く。
C41B-1216: Geodetic glacier mass balances at the push of a button: application of Structure from Motion technology on aerial images in mountain regions
N.Molg/T.Bolch
Nicoは不参加でtobiasによる代理発表。最近remote sensingで出版されたSfMの精度比較のお話。ウチのsojiroの話ももう3ヶ月も待たされてるけど、なんて言ってくるかねぇ〜
C41B-1219: Surface Elevation Change of Transantarctic Outlet Glaciers using Historical Aerial Imagery and Structure from Motion Photogrammetry
S.Child
アメリカによる1960年代の空撮写真をSfM処理して、という話が大人気。GCPをヌナタクのピークから拾っていて、ヒマラヤの事情(GCPが低い)と真逆なのが面白い。GCPがない標高の精度をどうやって検証するか、という共通の話題についてあれこれお話する。この姉さんもMicMacを使っていた。面白いのはこの姉さんもNorwayのRobertも、PhotoScanとの違いについて聞いても「なにそれ?使ったことないんだけど」という反応だったこと。む〜誰かMicMac使ってみて教えてちょうだい!
C44A: Modeling of the Cryosphere: Glaciers and Ice Sheets III
Glaciera and Ice Sheets、と言いつつほとんど氷床の話。スゲー興味を引くような話はなかったけど、皆さん着実な感じ。
IGSのAnnual General Meeting (AGM)へ出席。10年会長を務めたDougの退任の挨拶。Ianによる、質量収支の用語にならっての会計報告が面白い。ウチらも質量収支を会計の収支に例えることはあるのだけど、臨時支出を「surging」としていたのは新しい。論文のオープンアクセス化に伴う会員の減少をどう止め、若手をどう誘い込むか、が話題に。同様の問題は大学院の日常会話ネタ。
joeから「walterたちとピザ屋で飲むけど、一緒にどう?」と誘われるが、明日が自分の発表ということもあり、遠慮する。遠慮しつつもAGM終わった後ダラダラとお偉いさん達とタダワインを飲んだんだけど。
C41F: Understanding the High-Mountain Water Cycle and Cryosphere in the Anthropocene I
C41F-01: Debris supply to mountain glaciers and how it effects their sensitivity to climate change - A case study from the Chhota Shigri Glacier, India (invited)
D.Scherler
メディアルモレーンの石の10Beを測れば、erosion rateがわかるはず、というモチベーションの観測と解析。縦断方向、横断方向でこんな風に動いているはず、というコンセプトデザインが良い。ただ、結果は芳しくなく、いろいろ可能性をあげて、「erosion rateに方位依存性があるのでは?」という想像 (speculation) で中途半端に終わっている。おいっ、そういうオチならnagyの研究みろ!(時間スケールが全然違うけどね)最後のデブリの供給を含めた氷河変動モデルは細かい点はともかく、変動にヒステリシス(氷河の規模とデブリ域の関係が拡大時と縮小時で違う)があるってのが面白い。
C41F-02: Predicting the Future Contribution of Himalayan Debris-covered Glaciers to River Discharge: Advances and Challenges (invited)
DJ.Quincey
最近一番うっとうしいUKのライバルグループを率いるDuncan。今回初めて会えた。今年の観測シーズンには熱水掘削をクンブ氷河でやっていて、その話か、と思いきや、ここ1〜2年で出版した論文の内容を全部詰め込んだため、話がとっ散らかりすぎてイマイチ。負けね〜ぞ〜
C41F-03: The Influence of Intensifying Irrigation on Glacier Mass Balances in High Mountain Asia
R.de Kok/WW.Immerzeel
Walterの代理発表。WRFに灌漑のプロセスを組み込んで、灌漑で地表面からの蒸発が増え、その水分が山に戻る量を見積もった、という話。特にタリム盆地から西崑崙に戻る水が多い。氷河の質量収支までは踏み込んでいないものの、「温暖化で氷河から地下水に移った水を人間が組み上げて地表にまいて、蒸発が増えて氷河に戻ってる」ってストーリーは面白い。natureとかが好きそうだよね。インダス河周辺の灌漑は風向きの関係もあって氷河への影響は少ない模様。
C41F-04: Partitioning of the water budget in the main river basins in High Mountain Asia with GRACE, model output, and other observations
I.Velicogna
重力観測衛星GRACEによる氷床変動では名の知れたイザベラ姐さんがアジアに参入かよっ!とおそれ入りつつ拝聴したが、話にまとまりがなく、なんかイマイチ。チベット高原上の氷河が増えている、という以前物議を醸したJacob+natureと同じ解析結果を出していたが、これ対して中国の人が「湖の水量が増えているのを考慮していないからではないか?」という当然の質問を投げかけていた。が、これに対してGIA (glacial isostatic adjustment) の影響が云々と回答していたのは、(多少英語の分かりにくさを差し引いても)全く噛み合ってない返答で失望した。この姐さん大丈夫か?それともチベット高原上の湖の水量増加のことは、欧米には認識されてないの?GRLとかに散々論文出てるのに?
C41F-06: Tree Ring Analyses Unlock a Century of Hydroclimatic Variability Across the Himalayas
C.Brunello
我らがSanoさんの先行研究とかに全く触れずに年輪同位体の発表するとかナメとるんか?と。年輪研究を把握していないコンビーナー連中は「いい研究だよね」と昼飯の時に言っていたので、知らない分野に対してはこんなもんなんだなぁ、、と。ただ、タイトルのunlockとかの使い方は参考になる。
C41F-07: Opportunities and Challenges in Enhancing Value of Annual Glacier Mass Balance Monitoring Examples from Western North America (invited)
M.Pelto
TCDで外野からコメントを打ち込んでくるMauriおじさんを初目撃。ただ、話の中身はなんだかぼんやりしていて、何が言いたいんだかよくわからず。monitoringと研究を如何に両立させるか、が大事だなやっぱり。
C41F-08: Exploiting Satellite Archives to Estimate Global Glacier Volume Changes (invited)
R.McNabb
MicMac という、Structure from Motion (SfM)のオープンソースソフトウェアを使ってASTERデータを大量処理して氷河変動を求めよう、というプロジェクトの紹介。タイトルはスゲーが、実際にやっているのはノルウェーの氷河のみ。でも、これから自動処理を進めてグローバルを目指すんだって。もうね、氷河の標高変化をやるのはちょっと考え直した方が良さそうだな、と感じさせてくれる発表。だが、この発表すら前座だったのか?という発表が翌日にあろうとは。。。
ここからセッションを変えて、、
GC42A-01: Mechanism of the 2016 giant twin glacier collapse in Aru range, Tibet (invited)
A.Gilbert
チベット高原で突如立て続けに崩壊した二つの氷河の崩壊の原因について、質量収支や流動、内部の温度、流動状態などを総合的に解析した圧巻の研究。Nature Geoscienceに受理されてるんだそうな。さすが。でも、質量収支をデグリーデイ法で見積もっているのがとても気にくわない。他の手法は最新の手法なのに。。
vladimirと近い将来に予定している中央アジアでのアイスコア掘削のサイトに関して相談。
C41B: Glacier Monitoring from in Situ and Remotely Sensed Observations I Poster
コアタイムが午前中で、walterのセッションとTPEセッションと完全にバッティング。vladimirとの相談もあって完全にコアタイムを逃す。昼飯前にウロウロする。
お昼はポスター会場であったutrechtチームと自分のホテル近くのスーパーマーケットまで延々歩いて行って、軽食ですます。軽食と言っても、デリコーナーで作ってもらったブリトーは食べきれないボリューム。なんとかした方がいいぞアメリカ人。
午後はポスター会場を再度ウロウロして、コアタイムでないにもかかわらず立っていた人を捕まえて適当に話を聞く。
C41B-1216: Geodetic glacier mass balances at the push of a button: application of Structure from Motion technology on aerial images in mountain regions
N.Molg/T.Bolch
Nicoは不参加でtobiasによる代理発表。最近remote sensingで出版されたSfMの精度比較のお話。ウチのsojiroの話ももう3ヶ月も待たされてるけど、なんて言ってくるかねぇ〜
C41B-1219: Surface Elevation Change of Transantarctic Outlet Glaciers using Historical Aerial Imagery and Structure from Motion Photogrammetry
S.Child
アメリカによる1960年代の空撮写真をSfM処理して、という話が大人気。GCPをヌナタクのピークから拾っていて、ヒマラヤの事情(GCPが低い)と真逆なのが面白い。GCPがない標高の精度をどうやって検証するか、という共通の話題についてあれこれお話する。この姉さんもMicMacを使っていた。面白いのはこの姉さんもNorwayのRobertも、PhotoScanとの違いについて聞いても「なにそれ?使ったことないんだけど」という反応だったこと。む〜誰かMicMac使ってみて教えてちょうだい!
C44A: Modeling of the Cryosphere: Glaciers and Ice Sheets III
Glaciera and Ice Sheets、と言いつつほとんど氷床の話。スゲー興味を引くような話はなかったけど、皆さん着実な感じ。
IGSのAnnual General Meeting (AGM)へ出席。10年会長を務めたDougの退任の挨拶。Ianによる、質量収支の用語にならっての会計報告が面白い。ウチらも質量収支を会計の収支に例えることはあるのだけど、臨時支出を「surging」としていたのは新しい。論文のオープンアクセス化に伴う会員の減少をどう止め、若手をどう誘い込むか、が話題に。同様の問題は大学院の日常会話ネタ。
joeから「walterたちとピザ屋で飲むけど、一緒にどう?」と誘われるが、明日が自分の発表ということもあり、遠慮する。遠慮しつつもAGM終わった後ダラダラとお偉いさん達とタダワインを飲んだんだけど。
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