掘削二日目、ドリル責任者のTheoが、ありったけの不凍液とお湯を用意して、いざドリル回収へゴー。といいつつも、皆さんいろいろ用事があるらしく、大幅にメンバーが減る。
午前中いっぱい、不凍液を投入し、お湯を投入し、を繰り返したものの、動く気配なし
とはいえ、テンションを掛けるたびに少しずつワイヤーが巻き上がっていたようなので、「一度ドリルを下に下して、勢いをつけてあげてみたら?」と提案したところ、これがうまくいって無事にドリル回収に成功
「やれやれ、これで帰れるか」と安堵していたら、
「じゃぁ、もう一本掘る場合の動き方をやろーか」と、実にアグレッシブなご提案
掘削機をテント内でずらし、もう一本のコアを数m掘る。
ようやく一連の動きがこなれてきた
まぁだいたい忘れてて、現場で一からやりなおしなんだけどね
ドリルの深さの表示に癖があるとか、その辺を確認
なかでも大変だったのは、コアキャッチャーの付け替え。老眼ズには極めて厳しい作業であった。6千mでできる気がしない。
ロープウェイの最終便の時間が迫る中、パッキングして、スリング輸送がしやすいように集積し、駅に向かう。
向こうからスノーモービルに乗ったおねぇさんがやってきて、
ねぇさん「あなた達、ロープウェイの最終便で降りるつもり?」
ワイら「イエース」(「乗ってきなさいよ」とか言ってくれるのかな?)
ねぇさん「ラーーーーン!」
30秒ほどダッシュしたけど、すぐに息が上がってヘロヘロになりつつ、何とか最終便に乗り込む。最後の最後に実にスパイシー
夕食はチーズフォンデュ屋で(ドリルを回収できたこともあって)お祝いムード。MarcusのTC論文のアクセプトの連絡があった、とかで実によい晩餐であった。
翌日、チェックアウトでホテルの外にいたら、廃品回収みたいな電動カート(ツェルマット内は全部EV化されている)に山のように家財道具が積まれている。眺めていたら、通りがかったインド人のオッサンが、積み込んでいたオッサンと雑談し、スーツケースを嬉しそうにもらっていった。その向かいっ側で、セレブっぽいファミリーが電動カートに乗り込んで去っていく。道端に出されていたワインのケースとかから見て、一ヶ月ほどこちらに滞在していたのだろう。3部屋3泊で50万円ってことは、一ヶ月の部屋代だけで170万円!スゲー
前日に回収されていたドリルをベルン大のバンに積み込み、我々は列車でチューリッヒに戻る。片づけをして一息ついたところにベルンで荷下ろしを手伝ってきたEvanがきて、今後のことについて打ち合わせ
翌朝、北大組を見送った後、夕方便のワイはAirBnBをチェックアウトしてボルダリングジムへ向かう(https://maps.app.goo.gl/9xDVsF1xgpFZX2fH9)
広さやルート設定は素晴らしいが、利用料金は高い
(口コミで地元の学生も「学生には高すぎる」と)
6C+も何本か登れて(惜しくも登れなかったやつもあるけど)、大満足で引き上げようとしたら、なんとスマホが見当たらない。ジムのWiFiにPCをつなげさせてもらい、スマホをロック、ロック画面に「This is 6-years used Android. No one will buy this so Appreciate if you return this to Gym.」と表示するように設定。
かれこれ一時間ほどいて、そろそろ空港に向かわないといけない時間になってしまい、あきらめて受付のねぇさんに挨拶して出たところ、Gymから十歩ほど歩いたところで受付のねぇさんが追っかけてきて、「これじゃない?たった今届けられたよ!」と。誰が届けてきたのかちょっと気になったけど、無事に戻ってきたのでまぁ良しとする。
iPhoneじゃなくてホントよかった、と実感
往路は北極海を通過したけど、復路は黒海経由のやばそうな経路で長いスイス&ウィーン滞在が終了
※ヨタ話(だと思っていた方が皆のため、か?)※
この業界で「スーパーヒューマン」と評されるPW、ランタン氷河からシプトンコルを越え、シシャパンマ南壁を7800mまで登ったものの、パートナーの不調で敗退、シプトンコルまで戻ってパートナーはヘリで救出され、PWは一人でランタン谷を戻ったとか。当然のように無許可ww。ホンマかいな?と思いつつ、PWならありうる、と思うなど。世の中、メディアに出ないけどスゲーのはいるんだな。